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検察官を補佐する「検察事務官」

 

検察事務官のイメージ

 

裁判や検察を描いたドラマや映画、小説の影響から、検察官(検事)がどのような役割を担っているか理解している方が多いのではないでしょうか?
検察官は主に刑事事件を調査して起訴・不起訴を決め、被疑者に対しての責任追及や証拠の提示を行っています。

 

検察官は国家公務員に分類され、ルール上は必須ではないですが司法試験に合格している人(弁護士)でないと採用されるのは困難です。

 

 

 

司法試験に合格しても法務省の面接試験で落とされることがある狭き門の職業ですが、検察官を補佐する「検察事務官」という職業なら検察官より簡単になれます。
検察事務官とは名称の通り検察官を補佐する職業で、必要な資格はありません。

 

国家公務員採用一般職試験に合格すれば誰でもなれる職業で、大卒程度の他に高卒者向けの試験も用意されています。

 

給料は検察官より低いですが、一定期間勤務して1人前になれば、行政職から公安職の棒給表が適用されて行政職より12%ほど給料が優遇される人気の職種です。

 

 

検察事務官ができること

 

検察事務官は基本的に検察官のサポート役として一緒に行動したり指示された付随業務をこなしたりしますが、検察官の命を受ければ単独で業務を行うことも可能です。

 

起訴・不起訴の決定や裁判へ出席して被疑者へ尋問するのは検察官のみが行う業務ですが、その他の業務は検察事務官でも幅広くこなすことができます。

 

法律で認められた検察事務官の権限をご覧ください。

 

  • 被疑者の取調べ
  • 逮捕状による逮捕
  • 緊急逮捕とこれに伴う逮捕状の請求
  • 差押え・捜索・検証又は身体検査の令状請求とその執行
  • 第三者の取調べと鑑定などの嘱託
  • 被疑者の鑑定留置請求及び鑑定処分許可請求
  • 検察官の命により検視を行うこと

 

参考URL:検察庁 検察事務官の職務内容

 

3つの部門(配属先)

 

検察事務官は以下3つの配属先があります。

 

  • 捜査公判部門 … 刑事事件の捜査補佐等
  • 検務部門 … 刑事事件の受理,確定した犯罪の各種手続、罰金の徴収など
  • 事務局部門 … 総務、会計などの事務職全般

 

配属先は採用後に決定され、勤務後に部署異動するケースもあります。

 

人気が高いのは責任とやりがいの大きい捜査公判部門です。

 

 

副検事を目指せる

 

検察事務官を3年勤務すれば、副検事選考試験を受験することができます。
この試験に合格すれば副検事になることができ、検事と同等の権限・仕事をすることが可能です。

 

重要な刑事事件は検察官が扱うことになり、時には副検事も検察官の補佐業務を行うこともあります。

 

検察官より下の位置づけですが、与えられる権限は検察官と同等で、副検事選考試験は司法試験より難易度が低いです。

 

ちなみに副検事の平均年収は400~500万円で公務員の中で高めになる程度。
公務員でこれほど大きな権限を与えられることは珍しく、キャリアアップの道があることが検事事務官の魅力です。

 

もちろん、副検事にならなくても公安職の国家公務員として、検察事務官は年功序列で給料が増えていきます。